ENYAの金継ぎと金継ぎを始めるきっかけ

初めて金継ぎされた器を見たのは、かれこれ20年くらい前でしょうか。蚤の市で、ぽちっと器のふちが光っているのを発見!店主に「これは何ですか?」と聞くと、「金継ぎされてるね。」「金継ぎってなんですか?」「壊れたところを補修して金で装飾したものだよ。」「へぇー、へぇー、へぇー」「こんな風になおせるんですねー。」が、出会いですごく感動したのを覚えています。で、蚤の市を回ってみると、結構ある。知ると見えてくると言いますか、不思議なもので。(笑)

 

それから雑誌の記事で、金継ぎ屋さんが東京の東側にあるのを知りました。内容を見て、結構高いなー(今は高い意味がわかります。笑)、今は頼めないけど頼める時期が来るかもしれないと思い、割れた器を溜めておきました。それから月日は流れて、7年くらい前。金継ぎ教室があると知り、「えー、自分で治せるのー!!」といろんなところを検索しました。近場では表参道にもありましたが、「新うるし使用」とあって新うるしって何?新米とか新茶的なものかしら?とまたまた調べたら、合成の漆のことでした。そしてなんと、新うるしを使えば、1日で完成する!

 

んー、どうせやるなら本物の漆で、伝統的な金継ぎをやりたいなーと。更に探して、今の師匠の工藤先生がいらっしゃる教室に行き着きました。習って初めて漆は湿度がないと乾かない事を知りました。不思議ですねー!工藤先生は職人的と言うより、作家/アーティストで、自由な発想で金継ぎや漆芸全般を教えられているので、自分がどうしたいかのイメージを大切にしてくれます。(もちろん基本は踏まえての上です。)伝統的な手法だけに捉われない、こんなのできるかな?やってみよう!!JUST DO IT的なやり方で教えていただきました。(進行形ですが。)なので、ENYAの金継ぎは基本を踏まえながらも、御依頼人の希望、生徒さんの要望に添いながら進むをモットーにしています。ある意味邪道かもしれない(革新的)事が、次の伝統になって行くって往々にしてある事かなと思います。更に進化し続ける、KINTSUGI ENYAをどうぞよろしくお願いいたします。