金継ぎの手法など日々研究

陶器や磁器の割れかたや欠けかたにもいろいろありますよね。

パリーンと見事に真っ二つ、とか粉々とか(凹む)とか、よくあるのが食器を洗っていて、

蛇口に当たって欠けるとか、割れるとかですかね。(私のことですが)

 

その中でも、薄ーく剥がれたように割れてしまうことも多々ありますね。

剥がれたように割れた器、お皿はしっかり金継ぎしてもぽろっと取れてしまう事があります。

これは、下処理をひと工程増やす事で、軽減できるのです。

磁器、陶器の密度によっても違うと思いますので、まったく取れないとは言えませんが。

 

まず白い器の場合は必ず漆の色のシミ出しを防ぐために防染を行います。防染は膠をお湯でとかして使います。

欠け割れの面に薄く塗って乾かします。膠は動物性のコラーゲンなので薄い膜を作るイメージです。

膠は普通にすぐ乾くので、次の作業にすんなり入れます。で、次のひと工程が「地の粉を蒔く」という作業です。

 

二辺地、三辺地と細かさはありますが、私は二辺地を使っています。

膠が乾いたら、生漆を薄く塗って少し時間を置いて漆の粘度を高めます。

それから二辺地を茶こしでパラパラとまんべんなくふりかけて余分な地の粉を払います。

で、漆風呂に入れて乾かしてから(乾くまでに3日〜1週間)、通常の金継ぎの工程に入ります。

表面にざらざらする粒子をつけて、コクソ(麦漆に木粉を入れて作ったパテ状のもの)の食いつきを良くするのです。

TOPの写真がこの下処理を行った時の画像です。二辺地は黒褐色な粉なのでこんな感じですね。

 

次にコクソまで施した画像がこちらです。

通常、コクソがつかないような細かいところまでついているのがおわかりでしょうか?

この画像はコクソをつけて乾いてから、朴炭で磨いた段階です。

これから切子、錆と進んでいくわけですが、先人の方達の試行錯誤により今日に伝わっているかと思うと、なんてすごいんだろうと、いろんなやり方を師匠に教わるたびにフームと感心してしまうのです。

全て、漆の塗りの食器の作り方から派生しているとは思うのですが。

新しい手法というか、伝統的にある手法を組み合わせて、新しくしていくと言った方が正しいかもしれません。

 

では三辺地を使うとどうなるんだろうとか、もっと細かい四辺地はどうだろうとか(あるのか、四辺地。三辺地までは知っているが、笑)、実験したくなってしまいますねー。

 

そういう事がどんどん出てくるわけですよ。奥深いですねー。

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